数寄屋モダン|宮城県仙台市|(株)気仙沼工務店
しかし、終の住み家と購入した物件は屋根からは雨漏り、蟻害により柱は折れ、隙間風が酷く震える生活を送っていました。
――施工前。昔の貸家住宅の様な間取り、DKの洋室は西側の出窓のみの採光で暗く小さく仕切られた各部屋は家族単位の生活を想定されたもので一人暮らしには使い勝手が悪い状態。
もっと明るく開放的な間取りにしたいとの要望でした。
また当初は少し手を入れれば大丈夫と思っていたので、コスト的にも余裕のない状況でした。
床板を剥すとなんと湿気だらけ……、このままでは土台が腐ってしまいます。
床下にビニールを敷き込み、元の状態の様にビニールの上に砂を敷き込みます。
これで床下に湿気が上がるのを防ぎ、カビや湿気がなくなりました。
また、床にも断熱材を敷き込み気密を確保する為、機密テープで目張りします。
これで、室内外の温度差で発生する結露を防ぐ事ができます。
床板も経年劣化で所々踏抜く恐れがありましたので、既存の床板の上に新規の床を施工。
解体のコストを抑えると共に、建物の剛性を上げました。
洋室と和室の間の柱を抜き、既存梁に新規にヒバ材を添えてボルトで締付けました。
狭く暗かったDKと和室が一体になって明るく開放的な空間が生まれます。
壁を剥すと予想通り、昔の薄い断熱材が自重で下がって上部に空間が空いてます。
床の時と同じ様に既存の断熱材の上に新しく断熱材を貼り、防湿フィルムで気密を確保しました。
さらに、内壁の下貼に構造用合板を梁耐震性も確保しています。
各所耐震性を上げるため、壁量のバランス等を考えながら柱を新規に建て、構造用合板及び筋交等で補強します。
天井は梁下まで上げて天珠高を確保断熱材、そして防湿フィルムで機密をとります。
既存の流し台はまだ新しいのでそのまま使用しました。
暗く狭かった洋室は南側の和室と一体となり広く明るいLDKに生まれ変わりました。
4.5帖の和室は寝室として、偶に来る来客からプライバシーを確保するため建具で仕切らずに目隠しの飾り棚で対応しました。
6帖の和室は洋室になり、施主様の趣味室兼収納室として又、施主の親御様、ご自身の車椅子生活を想定して室内は全てバリアフリー仕様洗面、トイレを纏めて広し、南テラスからでも車椅子で出入りがが出来る様スロープになってます。
木製の片開き戸から気密性の高い親子扉に交換し防犯対処すると共に、車椅子でも出入りが出来ます。
照明器具は全て施主が用意した物を使用し、出来るだけ既存の家具が再利用できる様にスペースを確保してます。
仕上は施主が自然の材料にこだわっており壁は珪藻土塗り床は杉板に柿渋を塗ってます。
天井は貝殻を粉末状にした物を塗布してます。
壁は腰板に桐板を使用それに柿渋を塗ってます。(施主様に塗って貰いました)
自分で塗れば塗ムラも味と感じ達成感と併せて満足してました。
洗面台は元は鏡台でしたが施主に思い入れがあるそうなので洗面台として使えるように造り変えました。